全てのイタリア人の誇りである偉大な芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチですが、ダ・ヴィンチ先生は天才発明家としての顔もとっても有名で、彼の残した数えきれない発明の数々は今も尚、イタリアの人々の日々の生活に恩恵をもたらし続けています。

観光客が押し寄せる多くの名所ではなく、もう本当に、人っ子一人来ないような郊外の田園を、今日も地味に確実に潤し続けているのが、ダ・ヴィンチ先生がその地で500年以上前に設計し、設置した用水路だったりします。そしてその用水路にしゃがみこんで、ひとり感動に打ち震えているのが私です笑。

この極めて優れた芸術的感性と技術的能力のバランスこそが、イタリア文化に色濃く組み込まれているイタリア人独自の特殊なDNAなのだと私は思うのです。つまり、どんなに素晴らしい「美」を想い描いても、それを「具現化する技術」がなければそれはまさしく「絵に描いた餅」。イメージした通りのこの上なく美しい「餅」を実際に作りあげてしまう技術をも兼ね備えているのが、イタリア人の本当のすごさなのです。

ところで、その突出した技術力はどこから来るのでしょう？

イタリアの工房や工場の多くは、親から代々引き継ぐ形で家族の絆が紡いできたもの。

親から子へ、師匠から弟子へと何代にも渡って教えられ、たゆまぬ努力を重ねて改善され、蓄積されてきた技術は、まさしく彼ら一族の「歴史」であり、「伝統」そのものなのです。

そして、そんな彼らは、その独自の技術力を武器に、長く厳しい競争をも勝ち抜いてきました。

イタリアで最初の革財布が作成され、「ペッレッテリア」＝革製品という用語が生まれレザーグッズ産業が本格的に拡大し始めたのは1800年のはじめ。200年以上にわたりレザー産業のトップをひた走り、世界中の一流メゾンブランドのレザー製品の生産のほとんどを一手に引き受けるイタリアですが、それゆえに工房や工場の数が他国に比べ桁違いに多く、長く厳しい競争を経て、本当に優れた工場だけが残ったという現実も、MADE IN ITALYのクオリティを保証してくれるシビアな理由のひとつなのです。

イタリアのファミリーがその強く温かな絆で、培いながら戦い、紡ぎながら守り続けてきた伝統技術、壮大な歴史に裏付けされた真の技術だけが創造できる真の美、それがMADE IN ITALYです。

ひとつのレザーバッグの背後には、気の遠くなるような数々の工程が隠れています。

その工程には例えばどのようなものがあるでしょうか・・？

理想のシルエットを描き出すために細やかな修正が繰り返される型紙＝パターン。

パターンに厳密に従ったレザーパーツや裏地、芯地の切り出し。

よりしなやかに、軽やかに仕上げるために、レザーを数層に分けてから数ミリ単位で厚みを調整する革漉き。

レザーのカットラインにやすりをかけてから、塗料を何度も塗ることで、強度と艶を与えるコバ塗り。

熟練の技術のみが実現できる均等で滑らかなステッチによる縫い合わせ。

実のところ、[ MADE IN ITALY ] と銘打たれたレザーバッグでも、数多くの工程のどこからどこまでが本当にイタリアで行われているかというのは、マチマチなのです。

Zac Museoで取り扱っているのは、小学校の「現場学習」で異常にエキサイトする子供だった私、ニヒコが、ローカル線を乗り継いでイタリア各地の工場を訪問し、工程と品質を確かめた正真正銘の[ MADE IN ITALY]ブランドばかり。

そのひとつひとつの工程、すなわち手間暇と技術を把握し、リスペクトして厳選した「本当に良い」商品だけを、自信をもってお勧めしています。

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CHRISTIAN VILLA