イタリア便り#15 『イタリアンチャリンカーへの道』

イタリア便り#15 『イタリアンチャリンカーへの道』

先日、自転車を買いまして。

いわゆるママチャリではなく、本気の疾走感あふれるスポーティーなロードバイクです。

私の「アス活」、即ち「アスリート(を目指した)活動」がスタート致しました。

 先日、自転車を買いまして。

 いわゆるママチャリではなく、本気の疾走感あふれるスポーティーなロードバイクです。

 私のイタリア人の夫が年季の入ったスポーティーなチャリンカーで、派手なウェアをピッタリと体にフィットさせ、奇妙なフォルムのヘルメットとサングラスを装着して出かけていく姿を、宇宙人を見るような気持ちで眺めていた20年。

 20年目にして、宇宙人取りが宇宙人になってチャリンコにまたがる事態となりました。

 そもそも、私は大変に調子に乗りやすいのですが、全くスポーツをしないにも関わらず、自分には意外とスポーティーな資質があるのではないかと調子に乗り始めたここ数年。

 病院で看護婦さんに「なんのスポーツのアスリート?」と聞かれ、体組成計に乗ってみると、体脂肪率の数値評価が「アスリート」。

 生まれて一度もまっすぐ後転が出来たことがない以上、運動神経はたいして良くないのですが、「アスリート体質」というものがあるとして、自分はそれを持ち腐らせているのではという錯覚に、うっとりとしてしまったわけなのです。

 小学生の部活のバスケ、中学生のテニスといった、はるか昔に取った杵柄は、然るべき場所や相手が必要になるので面倒だし、私は一体、何のアスリートを気取れるのだろうとぼんやりと考えていたある日。

 コモ湖畔の山をハイキング中、急な傾斜をひいひい上っていた私の横を、マウンテンバイクを軽々と肩に担いだ50代と思わしき女性が、ひょいひょいと走り抜けていったのです。

 その颯爽たる勇姿に、私は斜面にかじりついたまま圧倒されました。

 加えて、夫が最近サブスクで毎日のように見ている自転車レースにて、時に顔を泥だらけにして滑走する女性選手たちのウェア姿が、次第に格好良く見えてきたのです。

 思い立ったが先日、「私もチャリンカーになる!」と、夫に高らかに宣言。

 それなりの初期投資を踏まえ、ハードなトレーニングに挫折しないか念押しをする夫を「本気出したらすごい気がするから」と調子よく押し切って、装備を揃えたところでまた今度!

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