今回は、その卓越した技術力で並外れた軽さと外観美を実現するバッグブランド、NOVIAを展開するAGATA HANDBAGS、と美味しいもの。について舌なめずりしながら書かせて下さい。
AGATA社の社長兼デザイナーのチンチアと私の共通点といえば、魚介類に目がないこと。
AGATA社が工房を構える、チンチアとルイジ夫妻が生まれ育ったALBA ADRIATICAというイタリア中部、長靴のふくらはぎ部分にあたるアドリア海沿岸の街は革製品で有名ですが、その土地柄、魚介類もそれはそれは豊富で新鮮です。
出張に行くたびに、チンチア達と豪快に2段重ねの海鮮生盛りプレートを平らげる私は、現地の郷土料理、「手長海老(=スカンピ)のローズマリー&ペペロンチーノ」をミラノに帰っても、たまの週末に作るようになりました。
海鮮生盛りプレート IN アルバの一例。
深めのフライパンにオリーブオイル、ニンニク、ローズマリー、ペペロンチーノを躍らせて、新鮮なスカンピをざっくりと投入、さっくりと炒めたら白ワインを回し入れてぽっこりと蓋。
限りなくワイルドに、手でわっしゃわっちゃと頬張れば、目の前にアドリア海。
この夏休み、私は牡蠣の産地であるフランスのST.MALOのロックフェスに出かけ、1個約1ユーロの生牡蠣を、その殻で覆われた海岸を眺めながら無限に食べ、いやむしろ吸い込んできたのですが、興味津々のチンチアから「動画を送って」と急かされている今日この頃。
チンチアは、一言で申し上げて、ファッショナブルな肝っ玉母さんです。
とにかく肝が据わっていて、常に迷いがなくて、どっしりと格好良い。
どこまでも丁寧で繊細な職人仕事を貫く、旦那さんのルイジとは最強のコンビです。
2人の息子さんも、MIPELというミラノのバッグの展示会にも律義に駆けつけて両親を手伝う、実に出来たイケメン達で、今や2人とも、イタリア男子の間で人気ナンバーワンの職業である立派な「エンジニア」となりました。
チンチア母さんはもちろん、これも郷土料理であるラム肉の串焼き「アッロスティチーニ」を庭で何百本と焼き上げて、歳が近くて仲の良い息子たちとその友人たちにふるまうというルイジパパの愛情を一心に受けて育った結果なのでしょう。
ちなみに、ミラノのスーパーでもアブルッツオ産のアッロスティチーニパックが売られているのを見つけた私は、家でもしょっちゅう焼きます。それはもう、癖になる美味しさ・・・!
ARROSTICINI ABRUZZESI 「アブルッツォ風 ラム肉の串焼き」
私と日本のスタッフが伝える日本のニーズやトレンドを取り入れながら、チンチアがデザインして、ルイジが最適な構造的ディテールを具現化する、その白熱したディスカッションを見ていると、一緒にモノを作る夫婦って素敵だなあとしみじみと感じ入ります。
そんな彼らが愛情深く送り出してくれるバッグの数々を、ZAC MUSEOでもご紹介出来る事、本当に嬉しい限りです。